2016/12/27 透明なゆりかご(3)/沖田×華
(去年の年末に読んでたものもひとつ。)
“赤ちゃんが無事に産まれることは、当たり前ではない”
大反響を呼ぶ作者の体験に基づいた真実の産婦人科医院物語第3巻登場!
「長く生きられない命」中絶? それとも――。
病院で母を待ち続ける男の子。母親はどこに? 命がけのハイリスク出産。妊婦の決断は?
先生の思いは祈りに似ていると思う
祈りは 大抵は人の心に届くことはない
それでもいい
祈りは自分自身のために行うものだから
画力は拙いんだろうが、そこにいい味がある沖田×華。
わりと誰もが作家の画力について言及してしまうことがあるけれど、漫画にとって画力というのはそこまで重要でない気もしている。
例えば小畑健くらいの緻密で美しい絵が描ければ、それはもう確かに「作画」自体に大変な価値があるんだろうが、例えばまったくの絵の素人がブログにちょっと添えた四コマ漫画や落書きでも人の心を強く打つ時がある。
なんだろうな。完成されすぎてると伝わりにくいものがある気がする。
発達障害、ドタバタとした家庭、看護師から風俗から漫画家まで色んなことを経験して、しかし悲壮感はほとんどなく、なおも明るく前向きな沖田×華。
そんな人間の内面や記憶をひたすら漫画にアウトプットしてるんだから、それはもちろん面白いだろうし読後感もいいよなあ、といつも思う。
これが本人の性格がすごくネガティブだったり…というか普通でも、また違うものになるんだろう。