漫画のために早退したい

読んだ漫画のてきとう過ぎる備忘録ネタバレ前提。他。

2017/05/19 さんかく窓の外側は夜④/ヤマシタトモコ

 

さんかく窓の外側は夜 (4) (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 (4) (クロフネコミックス)

 

 

大好きなシリーズ。

いきなり4巻だと分かりづらいので、
1巻のあらすじから拝借。

 


書店員の三角は、昔から不気味なモノを視てしまう体質で、
除霊師の冷川にその才能を見い出され、無理やりコンビを組まされてしまう。
そんな中、ある殺人事件に遭遇し…。
日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を見つけてはズバリ解決、
凸凹コンビの霊感エンタメ!

 


以下4巻のあらすじ。


冷川が自分にかけた「束縛」の呪詛
おれはあんたの道具じゃねぇよ。

「呪い」をかけておき、
その「除霊」を仕事にすれば、合理的に儲けられる。
あっけらかんと言う冷川に三角は怒りとさびしさが湧いてくる。
冷川の無自覚な悪意の方向性を、変えていくことをできないか?
「おれはあんたのことが知りたい」
そう思った三角はとことん冷川に関わろうと挑んでいくが…。
エセ占い師・迎とのコンビも相性バツグン!
心霊探偵シリーズ第4弾!

 

 

待望の!!!!4巻です!!!!
(なのに発売をチェックしてなくて手に入れるのが大幅に遅れたアホ)

 
この本の感想を書くのは初めてなんですが、とにかく面白い。
設定、ストーリー、キャラクター…どれも魅力的。
ヤマシタトモコのストーリー構成力は年々上がっていると思っていたが
それを最大限発揮している作品。

また、幽霊を描く画力も地味に段々上がっていっている。
1巻の幽霊より4巻の幽霊の方が不気味で怖い…。
でもゴリゴリのホラー漫画ほどは怖くない。
ちょうどいい塩梅です。

あ、少々BLっ気があるので苦手な方はご注意ください。
リブレ出版だしね。(BLメインの出版社)

ただ、BLなのかと言われると男同士の恋愛はどこにもない。
主人公がバディを組んでいる上司と力を合わせる?(オカルト的に一体になるというか?)際に
強い快感を感じて悶えたり喘いだりしてしまう、という描写など
ところどころBLに感じる描写はあるが。


さて、今回はわりと“謎”の多い巻となった。
なんというか、霊的な案件がいちいちスッキリ解決しないのである。

今までもこんな感じだっただろうか。
いやもう少し、きちんとスッキリと解決していた。

以下引っ掛かったところ。

 

・初めの迎との事件

結局ホームレスに取り憑いていたものは何だったのか。
何故それが“感染”すると気づけたのか?
迎の事件と言えば”アイドルの自宅のトイレ、電気ついちゃう事件”だが
あの時はもっとスッキリ解決していた。

半澤さんの力を見せるための事件だったのかなあ。
特に伏線などはなさそうだが…。

 

・二番目の虫の事件

孫の様子が変だから、という祖母からの依頼だったが


様子ヘンだったぜ!?
俺があの人どうにかしちゃってたらどうすんだよ

 

と三角が言うように、依頼人の孫は普通に戻った訳ではない。

こちらは、冷川と三角の心の距離を描くためのエピソードなのだろうか。
ただ、後半で出てくる下水管のようなものの伏線な気がしなくもない。

 

・非浦英莉可の中に入ったものは?

当たり前のように語り、当たり前のように受け入れられているが、
非浦英莉可の中に入ったものはそのままなのか?
そのままだとしたら一体それが何で、
非浦英莉可にどういう力を与えているのか?

ネクロマンサー…死霊使いということは分かったが、
具体的にどういう死霊を使役しているのかは不明。
一体なのか複数なのか、どういう霊なのか。

このあたりが「あっさり展開させただけ」なのか
何かの「伏線」なのか分からない。

 

明らかな伏線としては最後の、冷川の過去に触れるようなシーン。

街に流れていた下水管のような管(普通の人には見えない霊的なもの)を辿っていき、
危険を感じた二人は最終的に肉体から”中身”を出して偵察を続行する。

その先には非浦英莉可と、彼女曰く”ヤバイ””謎の”宗教団体があった。

そこに辿り着いた途端、常に冷静であったはずの冷川が酷く動揺し、
”中身”が戻ってこられなくなる。

その動揺は、あの宗教団体に関係があるのだろうと推察はつく。

 


…のに

壊した…


連載当初から汗ひとつかかず飄々としていた冷川の突然の動揺。

なんなんでしょうね。
結界の中で見れる、少年期の彼の枯れ果てたような表情と関係あるのかな。


数々の不思議を残し、ストーリーは三角の父親を巡る過去話へ。

 


…ぼくかおまえか
どっちか消えないと
彼女が死んじゃうだろ…


家族が寝静まった部屋の中で一人そう言い残し、妻と子の前から去る父親

未だに行方が分からない父の苦悩、人柄、そして失踪の理由を知ることが出来る。
とーちゃんつらかったんだろうな…。
三角くんには、どうにか同じ道を辿らないように生きていってほしい。

あ、またこれも伏線で
最終的に父親が出てきて…とかあるんだろうか。
なんかラスボスとかだったらどうしよう。母ちゃん泣いちゃう…。


最後になったが、表紙はうさんくさいクリスチャン占い師・迎系多。
私の推しである。
かっこええ。

さんかく窓の外側は夜 4 (クロフネコミックス)


目が琥珀色なのは表紙のデザインだろうか。
それとも本当に本人もこんな綺麗な瞳の色なのか。

本人の瞳がこんな綺麗な色だったらかっこよすぎて私はやばい。

ヤマシタトモコは脇キャラにも相当の魅力があり、
連載ではいつもナイスアシストな脇キャラにやられてしまうのである。

またその辺もまとめて記事にしてみたい。

第5巻は2017年秋発売予定!!!

全ての謎の行方が気になるが、当分は終わってほしくない作品です。


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