漫画のために早退したい

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2017/03/20 【BL】ほんと野獣⑨/山本小鉄子

 

ほんと野獣 (9) (GUSH COMICS)

ほんと野獣 (9) (GUSH COMICS)

 

 

 

かわいい顔してヤクザの輝と、警官の上田は甘々な、恋人同士。
しかし今回は、輝がちょっとヤバめの事件に巻き込まれた!
知り合いに「俺…殺されるかもしれねェ」と言われ、
助けるために奮闘した輝だったが、逆上した犯人に刺されてしまい――?
輝の猫耳ラブラブよみきりも収録した第9巻!

 

安心して読めるBLの筆頭、山本小鉄子(と勝手に思っている)。
いつもなんだかんだ平和でかわいくてホッとして甘くって素晴らしい。

今回も新キャラが少々。
・輝(あき)の元カレ、清(きよし)
・世良組、組長(組長なのか?)
・龍勇会、佐々木

細かい人物も入れると3人か。
先日同作家の「お参りですよ」を読んでいたせいか、元カレ展開多いな、作者の嗜好だろうか…と考える。
あ、「満開ダーリン」では元カノ展開もありましたね。

この作品を読むたび毎回思うのが、ヤクザの表現が私の知っているBL漫画の中で一番優しいということ。
ヤクザBLをそんなに網羅している訳ではないが、私の中のBL内ヤクザの恐ろしさは、

中村明日美子ダブルミンツ」>はらだ「よるとあさの歌」>今作、である。

ダブルミンツ」は恐ろしい。手加減がない。作品自体のシリアスさも相まって、時に顔をそむけたくなるほど。

「よるとあさの歌」もかなり手ひどかったが、これは単に作者のはらだ自身の好みとして「お気に入りキャラをやたらに虐めたい」という思いの結果こうなったのかなと思っている。
はらだはひとりのキャラクターがヤクザに無理くりされるシーンをじっくり描きたかったようだが、おそらく商業的にも構成的にも限界であったため、後に同人誌にして仔細に描き出し発表している。
そしてその同人誌は「とらのあな信販売2016年上半期同人ランキング」、成年向け同人誌の部で堂々の一位。すごい。なんかヤクザよりはらだのが恐ろしい。

また、妹を殴られたヤクザが慰謝料として200万支払えと脅しをかけてくるが、それをなんか好みのバンドマンにライブチケットを融通してもらうことでチャラにしてしまうところに、先述の「ダブルミンツ」にはないBL漫画ヤクザのかわいさが現れている。

そして今作は、上記二作レベルの描写を入れたら作者自身が壊れてしまうのではないかと思うほどのほのぼのヤクザである。せいぜいリンチとか、なんか間違って腹を刺しちゃったとか。
しかしその傷も大事には至らずすぐに治る。
うーん、この安心感。痛すぎなくてちょうどいい。

9巻では、輝の父親に”輝を守りたいなら極道になれ”と発破をかけられ、
今まで身分違いに関する悩みをなんとなくスルーし続けていた朝春(ともはる)が不安を零すシーンがある。
 
俺 輝のこと幸せにできるかな
 

この悩みも輝の「テメェに守ってもらわなきゃなんねーほど 弱くねェぜ」という台詞によってあっという間に解決する。
鉄子作品はリアリティがない(つまり少女漫画に近い)のがいいと思っていたが、少しのリアリティはまたスパイスになり、より甘みが増して後味のよろしい素敵なことになっていた。

あ、おそらく作家も力を入れて描いただろうこの顔最高でした。

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あとこの柴犬の躍動感のなさかわいすぎたな。ガオオ。

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