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漫画のために早退したい

読んだ漫画のてきとう過ぎる備忘録ネタバレ前提。他。

2017/03/23 透明なゆりかご④/沖田×華

 

透明なゆりかご(4) (KC KISS)

透明なゆりかご(4) (KC KISS)

 

 

大ヒット中のシリーズ、「透明なゆりかご」4巻。

産まれてきた赤ちゃんが両親に全く似ていない原因は? 引退した老助産師。彼女が経験した忘れられない分娩とは? 母親が失踪。残された育児能力のない父親。誰が育てる? 保育器に入るには不似合いな大きな赤ちゃん。その秘密とは?他全8エピソード収録!!

産まれてきた赤ちゃんが両親に全く似ていない原因は? 引退した老助産師。彼女が経験した忘れられない分娩とは? 母親が失踪。残された育児能力のない父親。誰が育てる? 保育器に入るには不似合いな大きな赤ちゃん。その秘密とは?他全8エピソード収録!!

 

 

今回はいつもの産科の話に加え、沖田×華の子供時代の話も2話収録されている。
(第23話「床下の子」、第28話「駅裏の子」)

第23話「床下の子」は、×華の小学生時代の話である。
同い年くらいの男児父親に虐待を受けており、常に床下で暮らしている、という衝撃的な内容だ。
×華は彼の名前も知らない。
“いつも土まみれだから”勝手に「つっちー」と呼んでいる。
床下にはつっちーの持ち物が全て置かれており、食事は父親の目を盗んで家に忍び込みこっそり持ってきた菓子類。
つっちーはブラジルに憧れている。
床下まで聞こえてきたTVの音声を聞いて、暖かくて楽しくて食べ物の沢山あるブラジルに、いつか行きたいと強く願っている。

 

オレ ブラジルに行ったら海の近くにここより少し大きい家を自分で作って
フルーツいっぱいとってきて
ジュース屋やるんだ


特に印象的だったのは、子どもの見ている風景の描写。
”つっちー”と×華は躊躇なく埃だらけの床下に潜り込み、見上げれば舞う埃が陽光に照らされてキラキラと輝いている。
他の話では、×華と”駅裏の子”は、ゴミの山に登って日がな一日遊んでいる。

子どものころってこうだったなあ。
埃はきらめきで、宝物はゴミの中に沢山落ちていて。
今じゃ埃だらけのところに入ることも出来ない。
ゴミはしっかり口を縛ってすぐに捨てる。
子どもの感性に戻ることは出来ないけど、思い出すことなら出来る。
この漫画を読んで、少し思い出の旅に出ることが出来る。


また、私は×華の漫画のあちらこちらに散りばめられる言葉が温かく印象的で好きだ。

戦時中に生まれたばかりの息子を育てきれず亡くしてしまった母の台詞、

私、あなたの匂いも体温も絶対に忘れない…
ずっとずっと一緒だからね…


一度は捨てられた障害のある子どもを、改心して引き取りにきた父親に対してのNICUの看護士の台詞、

いえ、別に強くならなくていいです
それよりゆっくり時間をかけて この子を見守ってあげてください
子育てが少しでもつらくなったら 無理はしないで 人に頼ってください
その分たくさんの愛情を かけてあげてください
幸せにしてあげてください
これだけは 約束してください


読んでいて心が揺さぶられ、何かが決壊しそうになる。
なんだろうな。
美しすぎないこの画力に、この言葉が乗っているのがちょうどいいというか。
拙い中の歪な輝きに、少し魅了されてしまうのである。

いくら売れても、この柔らかく優しい感性は失わないでほしいな。
こういう言葉たちにまた触れたいので、次巻も読みます。

 

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